
林恭子

プロフィール
林恭子の作品は、繊細な色彩感覚と巧みな技法により鑑賞者に深い印象を与えるものである。幼少期から色や配色に強い興味を持っていた彼女は、日本画専攻を経て多彩な表現力を身につけてきた。作品には伝統的な岩絵具や水彩絵具を用い、四季の温度や湿度が溶け込んだかのような自然や季節の移ろいを丁寧に描き出している。
制作過程は非常に繊細であり、下描きを行わず、日々の生活やドローイングを通じて得たインスピレーションをもとに、流れに身を委ねながら一気に描き上げられるのである。岩絵具の粒子感や光沢が生み出す質感は、単なる平面を超えた奥行きを作品にもたらし、日本の伝統美と現代的な抽象表現が共存する独自の画面を形成している。
卓越した色彩感覚と計算された構図、そして岩絵具が生み出す表情の深さは、鑑賞者が時間を重ねて向き合う中で日常を美しく彩りながら、他にはない存在感を放つ作品である。
1983年 生まれ
2007年 多摩美術大学造形表現学部 日本画専攻卒業
<個展>
2013 「paradise」 … Gallery 空/ 東京
2012 「1/365」 … Gallery 空/ 東京
2011 「1/365」 … Gallery 空/ 東京
2007 「Kyoko Hayashi EXHIBITION」… ギャラリーいわさ堂/ 鎌倉
<受賞歴>
2006 「佐藤太清賞」特選受賞
「art44」多摩美術大学造形表現学部展示 グランプリ受賞
2007 国際瀧富士美術賞受賞
「FUKUI サムホール美術賞」奨励賞受賞

作品に共通するテーマやコンセプトについて教えてください。
日本画絵の具で使用される岩絵の具を主に使用し、
現在は季節のうつろいを題材とし制作しています。
年々厳しさを増す気候のなかで、季節の変わり目を感じる機会は少なくなりつつあります。
その中でも微かに感じる、曖昧で儚い、移ろいゆく季節の断片を、記憶に刻むように描いています。

これまで影響を受けた作家や表現はありますか
影響を受けたものは、日本の襖絵に見られる花鳥画や水墨画などです。
とりわけ、余白の使い方や構図に強い影響を受けています。
なかでも、江戸琳派を代表する、酒井抱一や鈴木其一などの表現の繊細さや
画面構成には影響を受けています。

作品のアイデアは、日常のどんな出来事や風景から生まれることが多いですか?
生活で受け取った季節の変化からテーマを決めて制作します。
散歩中に感じた季節の変化だったり、花屋さんで季節の花を見つけた時だったり。
感じたことを言葉に落とし込んでテーマを探っていきます。
言葉に落としこむ時は 俳句歳事記にある季語を参考にしています。

制作に入る際、必ず行うルーティンはありますか?
制作前には、いつもの公園までの道を歩きながら気持ちを整えます。
本制作の最初の一筆は、必ず午前中の最も早い時間に入れるようにしています。
最初の一筆から十筆ほどのごく初期段階で作品の良し悪しが決まるため、
頭が最もクリアな状態で描き始めることを大切にしています。

今回、「tagboat Art Fair 2026」に出展される作品について教えてください。
本作も、岩絵具を用いて季節の変化をテーマに描いております。
季節の花が咲いてから散るまでの時間や、風の香りが変わる瞬間など、
儚い移ろいの断片を記憶に刻むように表現しました。
画面の外縁に余白を残すことで、中心部の余白がより強く意識される構成としました。
作品を見る人に、「これを感じてもらえたら嬉しい」というポイントを教えてください。
コツコツと制作を重ねながら、
より多くの方に作品をご覧いただける機会を大切にしていきたいと考えています。
過ぎていく日々の暮らしの中で作品を通して、人の心をそっと静めるような癒しや、
あたたかな余韻を感じていただけたら幸いです。

今後の制作において挑戦したいことや意識していきたいことを教えてください。
季節や時間はあっという間に過ぎ去っていくので
その一瞬に立ち上がる感覚を大切に制作していきたいです。
花をモチーフとする場合も、咲いてから枯れるまでのわずかな時間のなかで生まれる変化を見つめ、
空気の揺らぎや気配に触れた瞬間を逃さず、
その季節が終わる前に形にしていくことを心がけています。

4月24日(金)ー26日(日)開催:tagboat Art Fair 2026

「tagboat Art Fair 2026」
会期
2026年4月24日(金)ー26日(日)
詳細日時
・Preview -会場限定販売期間-
4/24 (fri) 16:00 – 20:00
・Public View -オンライン同時販売-
4/25 (sat) 11:00 – 19:00
4/26 (sun) 11:00 – 17:00
※3日間どなたでもご来場可能です
会場
東京都立産業業貿易センター浜松町館 展示場2階
〒105-7501 東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝
JR/東京モノレール 浜松町駅(北口)から徒歩5分
ゆりかもめ 竹芝駅から徒歩2分
都営浅草線/都営大江戸線 大門駅から徒歩7分
チケット代
1500 円(会期中再入場可能)
※障害者手帳のご提示でご本人様、付添いの方1名まで無料
※学生証のご提示でご本人様無料
※小学生以下のお子様は無料